投資のノウハウ

「本土の市場(上海・深セン)」と「香港市場」でまったく異なる中国株市場

さて、中国株を取り引きしたことのない人にとって、中国株市場はあまり馴染みのない存在かもしれません。

テレビなどでたまに報道される、「中国人の個人投資家が取引所に殺到して『儲けた』『大損した』と騒いでいる様子」を思い浮かべて、中国株というと「投機的なところ」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、「中国株=投機的」というのは大きな誤解です。まず、中国株市場の基本を押さえておきましょう。

中国株を扱う中国の2つの市場

中国株を扱っている市場は一つではありません。大きく分けると、中国本土の市場と香港市場という2つの市場があります。

また本土の株式市場には、上海市場と深セン市場があり、上海市場と深セン市場ではそれぞれ別の銘柄を扱っています。

そして、ここからが少々わかりにくいのですが、上海市場と深セン市場に上場している銘柄には、基本的には中国国内の投資家だけが取引できる「A株」と、外国人投資家にも開放されている「B株」という2つの種類があります。

この項目の最初に書いた「中国人の個人投資家が殺到する取引所の様子」とは、実は中国本土市場の「A株」についての話なのです。

現状では、中国人の個人投資家の中には、ギャンブルのような感覚で株を売買している人は少なくありません。

一方、香港市場のほうは、古くから主に外国人投資家が取引をしてきた市場です。

ご存じのように、香港は1997年に中国に返還されるまでイギリスが統治していたため、香港市場は資本主義経済の中で健全な「投資の場」として成長を続けてきました。

現在、日本人が中国株を売買する場合は、通常は香港市場での取り引きになります(中国株取引に力を入れている一部の証券会社では、本土市場の銘柄もすべてではありませんが取引できる場合があります)。

そのため、中国本土の「A株」のような投機的な売買に巻き込まれる心配はないと言えるのです。

もちろん、香港市場も中国の銘柄を扱っているわけですから、本土市場と同様に2015年はバブル的な株価の上昇もその後の急落もありました。

ただし、値動きの激しさという意味では、本土市場ほどではありません。

ちなみに、中国本土の個人投資家は、これまで本土市場の株式しか購入できませんでしたが、制度の変更で香港市場の株も買えるようになりました。

今後は、中国人による香港市場での中国株の「爆買い」が起きる可能性もあります。値動きが激しくなるリスクもある一方で、取引のさらなる活発化と株価の上昇も期待できそうです。

香港市場で取引される銘柄

最後に、香港市場で取引されている銘柄について説明しておきましょう。

日本の市場に、東証1部と東証2部、新興市場と言われるマザーズ、ジャスダックの各市場があるように(東京証券取引所の場合)、香港市場にも東証1部・2部にあたる「メインボード」と新興企業が上場する「GEM(ジェム)」があります。

その中で、中国本土で事業を展開している企業の株を「H株」、中国資本の香港企業の株を「レッドチップ」と呼んでいます(それ以外の銘柄は「香港株」と呼ばれることもあります)。

※図:中国市場の仕組み

本連載は、自著『資金30万円を巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法』(幻冬舎)から一部を抜粋したものです。本コラムは実際の投資の成功を保証するものではありません。本コラムを用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本コラムの内容に関して運用した結果については、ライジングブル投資顧問株式会社はいかなる責任も負いかねます。なお、本コラムに記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時(2016年2月)のものであり、変更されていることがあります。
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プロフィール

藤村

ライジングブル投資顧問株式会社

代表取締役社長 藤村 哲也

【経歴】

1965年生まれ。横浜市立大学経営学科卒業。1990年太平洋証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)入社、証券営業を経て1996年より投資情報部で証券アナリストとして勤務。合併により2000年よりUFJつばさ証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)に勤務し、最終役職はUFJつばさ証券部長代理。独立後、2003年6月にライジングブル投資顧問株式会社を設立。中国株、日本株情報サイトを運営し、会員向けに株による財産形成を総合的にサポートしている。Yahoo! ファイナンス 投資の達人、All About株式ガイド。

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